前回、わたしが修士を取得しようと思った動機についてお伝えしました。
学歴社会の中で生きていくための、「必然」としての選択。
けれどもその過程の中で、実際にたくさんの学びがありました。
教育者として日頃から抱いてきた疑問を自分の中で明らかにする、
とても良い機会をいただきました。
修士論文のテーマは「ハートリーダーシップの考察」
知的社会の中で、リーダーとしての権限を行使して
上から自分の意向で人を動かし組織を引っ張っていく
頭的なリーダーシップに疑問を投げかけ、
職員がなるべき姿に成長していくことを応援し
それぞれが生きがいを見つけられるような職場づくりを基本としたリーダーシップの提案。
シュタイナーの持論である「心臓はポンプではない」を基本に、
「血液が意志をもって身体中を巡り、心臓に帰っていく。
その循環によって、絶えず組織が活性化し温かい体温が保たれ、
組織全体が成長していく」という考え方を柱にして
リーダーシップモデルを組み立ててみました。
これは経験上、上から統制していく「頭的リーダーシップ」の限界を感じ、
シュタイナーの理想とするそれぞれの「自由」が生きる
リーダーシップの必要性を、ずっと感じていたからです。
心臓は組織の中心で、休むことなく静かに動いている。
心臓は血液の循環
ー酸素と栄養を組織のすみずみまで運び体温を一定に保つー
を促し、組織全体を生き生きとさせる。
身体の隅々からの情報が心臓に集まり
またそれが循環することで全体の統制が自然ととれる
周囲の環境に応じて、もしくは内臓の状態によって
必要な栄養と酸素が必要なだけ、必要な時に送られていく。
司令塔的で一方的な「上から」リーダーシップではなく
循環を促すことで全体が生き生きと共に学ぶ「ハートリーダーシップ」を
これからも提案・実践していくつもりです。