王子さまは庭で五千も咲きそろっているバラたちに向かって言いました。
「あんたたちは美しいけど、ただ咲いてるだけなんだね。あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。そりゃ、ぼくのバラの花も、なんでもなく、そばを通っていく人が見たら、あんたたちと同じ花だと思うかもしれない。だけど、あの一輪の花が、ぼくには、あんたたちみんなよりも大切なんだ。だって、ぼくが水をかけた花なんだからね。覆いガラスもかけてやったんだからね。
ついたてで、風にあたらないようにしてやったんだからね。ケムシを殺してやった花なんだからね。不平もきいてやったし、じまん話もきいてやったし、だまっているならいるで、時には、どうしたのだろうと、きき耳を立ててやった花なんだからね。ぼくのものになった花なんだからね。」
バラの花たちにこういって、王子さまは、キツネのところにもどってきました。キツネが言いました。
「さっきの秘密をいおうかね。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。あんたが、あんたのバラの花を、とてもたいせつに思っているのはね、そのバラの花のために、こころを使ったからだよ。」「人間っていうものは、このたいせつなことを忘れているんだよ。だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。めんどうみたあいてには、いつでも責任があるんだ。まもらなければならないんだよ、バラの花との約束をね…」
「こころで見なくちゃ、ものごとはよく見えない。」
「かんじんなことは目には見えない…」
このたいせつな真実を、私たちはいつも忘れてしまいます。
これらは人と人と、人と世界と、人と大いなる存在とをつなぐ魂の力です。意志の力です。
右の絵はシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの天井画の中の、神とアダムの手ですが、
その間に空間があります。
この空間は脳神経間のシナプスにも見られます。
この空間で情報が交換され
学びや気づき、理解が生まれます。
この空間で起こるエネルギーの交換が
キツネの言う、人と天界とをつなぐ、
「こころで見なければ見えない、目には見えない真実」です。
日本人として…。
縁、つながり、和、関係性、ひらめき、直観、調和、因縁(カルマ)、美徳、業、気、意志、丁寧、念、学び、祈り、感謝、愛…。
日本には目に見えない真実を表す言葉がたくさんありますし、
私たち日本人は、古代からそれらにとても敏感な国民です。
日本文化は「わび・さび」という
西洋人には決して理解できない目には見えない現実が生きています。
西洋化に伴い、現代社会では忘れられて、
無きものとされてしまったこれらの「目には見えない真実」
この感覚を、私たち日本人が意識を持ってしっかりと取り戻していく。
物質社会の中で、ふみにじられて、深く傷ついている魂を
もう一度私たちの生活の中で再認識し、大切にし始めることが
人を、世界を癒すことにつながると思うのです。
丁寧に洗ったお皿から「ありがとう」がきこえる。
ふと目に留まった道端の花が「気づいてくれてうれしいよ」と言ってる。
過ぎ去っていく風が「新しい気持ちで生きていいよ」とささやく。
暖かいおひさまが「今日も見てるよ。生まれてきてくれてありがとう」と応援してる。
静かな星が「あなたが使命を思い出せますように」と祈ってる。
空を飛ぶ鳥が「霊界は今ここにあるよ」と教えてる。
木々が「雨や風をうけいれて、一緒に柔らかく育っていこう!」と励ましてる。
あなたが関わることで、世界がすべて変わる。
それに気がついたら、もう孤独とはさよならできそうな気がしてきませんか?

今日から私たち一人ひとりの生活の中から
世界を癒し始めませんか?