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プロフィール

職歴・学歴について3(博士編)

修士を取得して、メールのサインにM.Ed.がついたことで、当初の目的は果たせ、

転職の危機が来た時に、この外国の地で学歴で差別を受けることはなくなりました。                   (詳しくは「職歴・学歴について1」をお読みください)

古くから知っていて、修士取得も応援してくださったAntioch 大学の恩師に

「博士課程に推薦したい。」とお声をかけていただいた時には驚きましたが

「勧められたことは信じて受ける」をすでにモットーにしていたので

あまり躊躇することなく決めました。

一歩中に入ってみると、修士課程とは全く比べ物にならない内容でした。

ワルドルフ教育専攻であるはずが、

一人を除いて、シュタイナーをまったく知らない教授たちから

たくさんのことを学びました。

一番勉強になったのは、シュタイナーの考え方を

いかに自分の経験を中心に、彼らに理解できる言葉で

しかも「感覚ではなくて知性に訴えかける形で伝える」ことができるかということ。

毎週出てくる課題に向き合いました。

教育学でどのような学者たちが、過去にその論法を打ち出してきたか、

新しい流れを作ってきたか、反論が生まれたかを学びました。

その中でシュタイナーがどのような影響を受け、与えてきたのかも研究しました。

同時に博士論文を組み立てるメソッドや文献の使い方も指導されました。

そして、自分がこの世に打ち出していきたい論旨は何なのかを深く探るようになりました。

「こころの思考によるリーダーシップー二元型アプローチから変容型アプローチへ」

というタイトルで

「よい・わるい」「つよい・よわい」「光・闇」という階級的で二元化する考えから、

それぞれの特徴を優劣をつけずに

違いをユニークな美しさや強さとして扱うこと

また、お互いがその違いから学び、

共に進化していくことの大切さを提案しました。

今まで経験から、人と人とのつながりや調和を奪ってしまう

知育社会や競争社会や肩書き社会に違和感を持ってきましたが、

ここでアカデミックに鍛えられたことで、

その頭社会での発言権を初めて手にしたということを知りました。

これからは「経験知」の持つ深さと調和を、

アカデミアの世界に提案していきたいと思っています。

 

仕事・家庭との両立がキツく感じることもありましたが

過程の一つ一つが自分のスキルを磨き、

現在の考え方の基本となったことを感じます。

「まずは経験をすることで、本当の世界が理解できる」という

シュタイナーの教育理念に添った道をたどれて

今は大いなる導きに感謝しています。