いままで何度も「経験」の大切さをお伝えしてきました。
「わたしの『経験』には何も特別なことがありません。
ごく普通で、皆さんが毎日していることばかり。」
「それで慌ただしく日々が過ぎてしまうので、
皆さんにお伝えできるような『経験』をしにいくお金も時間もないのです」
というお答えをいただく…。
ここにパラドックスがあると思うのです。
「経験」を力にするのに、日常から離れた、きらびやかで突拍子もない、
祭りのようなできごとを探す必要などありません。
(日常を離れた「体験レポ」は、時間とお金のある専門の方にお任せしましょう!)
わたしがお勧めしたいのは
今現在に「感性を開く」ということです。
毎日繰り返される生活の中にいると、自然と「感性」が眠ってしまう。
昨日も今日も同じだと思うと、毎日がすっかり色あせてしまう。
イマジネーション豊かな子どもは
放っておいても自分で発見を繰り返します。
毎日新しい驚きをみつけます。
自分で遊びを作り出します。
外から入ってくるエンターテイメントも必要ありません。
私たちも日々の暮らしの中で
一見退屈でありきたりな行為の中に
毎日違った側面を見出すことができれば
それはもう立派な「アート」と呼ぶことができます。
大切なのは「あなた」が経験しているということ。
「あなた」がどのように感じ、どのように接していくのか
それがありきたりの日常を唯一無二のできごとにします。
「あなた」がみるもの、聞くもの、ふれるもの…。
それらはみな「あなた」がそこにいてくれるおかげで
みてくれる、聞いてくれる、ふれてくれるおかげで、
イキイキ、キラキラするということを知っておいてください。
今日洗ったお皿から、「ありがとう」が聞こえてきたら、
あなたの人生はそこから劇的に変わります。
同じことをするにしても、
「そこにこころを交わすか」
それとも「仕方なくこなすか」で人生が変わってきます。
子どもに手がかかる時期などは、
日常のことにいちいちこころを通わせていられないのも現実です。
そんな時はやらなければならないことは、できるだけ感情を絡めずに淡々とこなし、
こころは「オブザーバー」に徹するとうまくいきます。
感情のひっかかりを生まないので作業の効率が上がり、
あとでちょっと一息つける時がもらえるかもしれません!
そしたらちょっとお外を眺める、自然に気づく、
一日を振り返ってみる新しい発見を探してみる。
こころがほっこりとすることが見つかったら
ノートやプログ、イラスト、色に記してみることをお勧めします。
あなたがこころを開くことで、
今まで気にも留めなかった周囲の風景が
ストーリーを語り始めます。
今まで見せなかった側面を見せてきます。
この見えない存在が、実はものすごい力を持っているのです。
木の声、水の声、花の声、風の声、動物の声、石の声、山の声…。
ありとあらゆるたくさんの声に耳を澄ませてみる。
古代の日本人は全てのものに神が宿っている事実を知っていました。
日本人が持っている、この静かなつながりを、大切にしてほしい。
この力に気づいたら、あなたはそこから使命へと導かれていきます。
その仕組みを次の回でお知らせしますね。