わたしはオレゴン州のポートランドでシュタイナー学校の校長をしていますが、
それは日本で暮らしていた頃に夢描いていた自分の姿とはずいぶんと違うものです。
当時のわたしは「夢」と呼ばれるものを持っていませんでした。
ただ流されるように、敷かれたレールの上を生きてきて、
気がついたら自分が何をしたいのか、全くわからなくなっていました。
短大を出て、企業に勤めて、結婚して…。
初めての子どもを抱っこした時に、
こんなに可愛いのなら10人欲しいと思った。それが最初の「欲」だったかな?
三人目の子どもを2ヶ月で亡くして、
突然旅立ってしまった子どもがどこにいったのか知りたくて、霊的なことも学ぶうちに、
元夫の転勤で米国で暮らすようになって、
気がついたら地元の小さなシュタイナー学校で日本語を教えることをすすめられてから、
人生が変わり始めた。それが始まり。
日本語を二十三年教える間に、子どもの教育のこと、社会のこと、将来のこと…。
たくさん学びました。
シュタイナーの人生観、宇宙観、自然観、そして人の本当の愛。
彼の哲学には人が自由に、使命を全うしていくための知恵が壮大に語られています。
今、毎日生き生きと育っている子どもたち、若者たちと過ごしながら、
この、子どもの笑顔がこの先も続きますようにと、祈るような毎日です。
そのためには、まずおとなが
安心して、助け合って、信じ合って
癒された心でゆったりと一緒に子どもたちを見守っていきたいものです。
子どもの周囲でいつもこころを砕いていらっしゃるお父さん、お母さん。
またご自分の道をゆっくりと進んでいらっしゃる皆さんを思って、
この空間を毎日埋めていこうと思っています。
これからも、時々覗きにきてください。
内山千晶